和紙の里
越前生漉奉書

国指定重要無形文化財 人間国宝

第九代 岩野市兵衛氏 × POP-i ポップ・アイ

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人間国宝が漉いた和紙で名刺をつくってほしい。 イメージ

そんなご依頼に答えるべく、ものづくりに携わる会社として和紙づくりの本場に足を運び、ご依頼主様の和紙への強いこだわりとその想いを直接伝えるために、日本一の和紙生産地である越前和紙の里、福井県越前市大滝町で和紙づくりをされている九代目・人間国宝の岩野市兵衛さんの工房へと訪問してまいりました。

到着し、出迎えてくださったのは、岩野市兵衛さんご本人とご子息の岩野順市さん。ご挨拶を済ませ、和紙に関する依頼と相談をさせていただきました。市兵衛さんの和紙づくりへの信念や想い、歴史をお話しいただきながら、心込めて漉かれてきた数々の和紙の見本やその和紙を使用した画家・作家の方の作品を見せていただきました。

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越前和紙の里、福井県越前市大滝町 九代目・人間国宝の岩野市兵衛さんの工房 和紙と和紙の間に葉を入れた作品

和紙と和紙の間に葉を入れた作品


和紙が作られる作業工程 和紙が作られる作業工程 和紙が作られる作業工程 和紙が作られる作業工程

続いて場所を作業場へと移し、和紙が作られる作業工程に沿って、原料からひとつひとつ丁寧に説明していただきました。この場所でなければならない“水”へのこだわりや、原料の100%天然の那須楮(こうぞ)繊維から和紙として生成されていく過程を、実物を手で確かめながら教えてくださいました。

一切の科学薬品を使用せず、楮の繊維不純物や澱粉質などを徹底的に洗い落とすことで、300回もの摺りにも堪えるほどの強靱、且つ、しなやかな紙となるそうです。
実際に「横に強く引っ張ってみなさい。」といわれ、全力で引きちぎろうとするも、紙は強くその腰を保ち、破れることはありませんでした。

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先代から伝統と技法を受け継ぎ、岩野氏がつくってきた和紙は、古来、主に天皇・将軍などの意思決定を伝える奉書紙としても使用されていたそうで、現在では国内外の著名な版画作家、芸術家、書家に愛用されています。

今回、著名な書家の方にご依頼主様のお名前を書いていただき、POP-iでレイアウトした後、版下データを制作。そして和紙専門の印刷所にて刷り込まれ、ついに人間国宝が漉いた和紙の名刺として完成しました。

岩野さんが漉く越前生漉奉書には、素材へのこだわりだけではなく、この土地と風土でしか得られない自然の素材を巧みに活かし、一心に、一筋に紙を漉き続ける姿と共に、なくしてはいけない日本の伝統と職人の魂が込められているのだと感じることができました。

一流の方々と共にお仕事させていただく機会をくださったご依頼主様に、心より感謝いたします。

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人間国宝が漉いた和紙の名刺

九代目 岩野 市兵衛 いわの いちべえ

1933年9月28日生まれ。
16歳で家業の手漉き和紙の道に入り、
父・八代目岩野市兵衛氏(国指定重要無形文化財)から受け継いだ技法を守り続け、
1978年、九代目岩野市兵衛を襲名。
2000年6月、国指定重要無形文化財・越前奉書の保持者として人間国宝に認定される。

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九代目 岩野 市兵衛 いわの いちべえ

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